今永昇太|カブス電撃FAへ 2025年シーズンの舞台裏と揺れる決断

#プロ野球

左腕のエースとして日米で活躍してきた 今永昇太 が、2025年シーズンを終えた後、
所属の シカゴ・カブス との契約延長オプションを自ら拒否し、FA(フリーエージェント)
市場に参入することが報じられました。

シーズン成績としては25先発で9勝8敗、防御率3.73というまずまずの数字を残しつつも、
球団オプション破棄・選手オプション辞退という異例の流れ。

不安定な後半戦と契約交渉の駆け引きを含め、「なぜ今オフにこの決断を下したのか」を
深く掘り下げます。

2025シーズンの活躍

今永は2024年にカブスに移籍し、メジャー初年度から15勝3敗、防御率2.91と圧倒的な
成績を残して注目を集めました。 

迎えた2025年は、25試合にすべて先発登板。投球回数は144.2、被安打567、奪三振117、
被本塁打31、自責点60、防御率3.73、WHIP0.99という数字を記録しました。

前半戦では「6勝3敗、防御率2.65」という好スタートを切っていたものの、後半になると被本塁打が増加。9勝8敗という勝敗に終わった点は、やや期待値からズレた印象を与えました。 

投球内容を月別で見ても、8月までは防御率2点台を維持していたのに対して、9月以降は6.51と
乱れ、特に被長打・被打率・QS率(6回以上を投げ自責3以下)低下という後半戦の落ち込みが
明らかです。 

チームとの相性という点では、カブス移籍初年から左腕先発として「新しい顔」として受け入れられ、ショータマニアと呼ばれるファンペースも形成されました。

打者との駆け引き、配球面での変化球精度、球場(シカゴの風・ナショナルリーグ仕様)への
対応など、適応力を見せたシーズンでした。

ただ、メジャー2年目にして継続的な支配という点では課題を残しつつも、
十分に価値のあるシーズンと評価されています。

チームとの相性と戦術的背景

カブスでは、左腕として先発ローテーションの一角を任されるとともに、変化球主体の
投球スタイルがメジャー打者に対して有効に機能しました。

特に、スライダー・フォーク・チェンジアップの精度が高く評価され、
メジャー初年度の成功要因ともなりました。

2025年においても、WHIP0.99という数値は、走者を出しても大崩れしにくい
安定感を示しています。前半戦の2点台防御率もこの土台あってこその数字でした。

ただ一方で、後半戦の被本塁打31という数字は、「長打を浴びるケースが増えた」
「球場・打者・疲労の三重要因が影響した」と分析されています。

月別データでは9月以降の被打率・被長打率が急上昇しており、クオーターバック・ナショナルリーグ仕様の左投打者への対応、球速低下・球数増加などが指摘されました。

このような背景から、チームは来季に向けて先発ローテーションの再評価を行い、今永自身も
「次のステップ」を見据える動きを自身から見せていたと報じられています。

なぜ契約延長を拒否したのか

2025年11月4日(日本時間)、カブスは今永との契約延長オプション
(3年5775万ドル=約86億6000万円)を行使しないと発表。

合わせて、今永側も2026年の選手オプション1525万ドル(約22億9000万円)を辞退し、
FAとなりました。 

記事によれば、球団編成本部長は「もし移籍前からこの2年の成績を示されていれば、
迷わず受け入れていただろう」と語ったという背景も。

ここから読み取れるのは、球団側が将来のローテーション維持・年齢とコスト・成績の
継続性を勘案し、「現時点では契約延長の判断を見送らざるを得なかった」という実情。

今永側も「自身が選択肢を広げるため」にオプションを放棄し、市場に
出る決断をしたと伝えられています。

メディアでは「FA争奪戦が激化する」「次のスターになる可能性がある」との評価も出ており、
外的評価としてもポジティブです。

つまり、この決断は「安定継続」ではなく「自身の価値を最大化するためのリスク選択」だと
言えるでしょう。

今後の展望

FAとなった今永には、複数球団からのオファーが予想されており、契約年数・年俸・保障内容が
注目点。年齢は32歳(1993年9月1日生まれ)であり、左腕としての価値・安定性・実績・メジャー適応力という観点で高く評価されています。

今後のテーマとしては以下の点が挙げられます:

  • 長期契約か短期契約か
    年齢を考慮すると、多くの球団は3〜4年程度の契約を想定。
    ただし今永自身が市場価値を高めるために条件を選別する可能性も。

  • ローテーション継続力
    後半戦の失速をどう改善するか。被本塁打を減らし、7回以上を任せられる起用が
    再び定着できるかが鍵。

  • 球団・環境のフィット
    カブスでの2年間で実績を作ったものの、「次の球団での環境適応」
    「継投戦略・守備・被打率改善策」が成否を分けるとみられます。

  • 日本野球界とのリンク
    WBCや日本代表復帰の可能性も、実績と健康面次第では復権シナリオあり。

今永自身の言葉として「メジャーで成果を出した上で、さらに次のステージに挑戦したい」といったコメントも報じられており、挑戦の意欲は明確です。

まとめ

2025年シーズン、今永昇太はメジャー2年目として25先発・144.2回・9勝8敗・防御率3.73という数字を残し、首脳陣・ファンからも信頼を得続けました。前半戦で驚異的な安定感を示した反面、
後半戦の長打被弾やQS率低下という課題も浮上しました。

そのシーズン終了直後に、契約延長オプションを自ら拒否しFA宣言を行った決断は、
「保障を捨ててでも己の価値を最大化する」というプロとしての意思の表れと言えます。

これにより、今永が次に選ぶ球団・契約条件・そして再び先発左腕のスターとして
立ち上がるかが、注目の的となっています。

32歳という年齢ながら、まだ進化の余地を残しており、2026年以降の動きにも目を離せません。
今永昇太、彼の球界における次の1歩が、また新たな歴史を刻む可能性を秘めています。

 

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