兄弟と育んだ絆―話術の原点は家族の団らん
1983年5月17日、福岡県久留米市で誕生した財津ひろみアナウンサーは、
兄と姉の3人きょうだいの末っ子として育ちました。
幼少期、両親が仕事で忙しいときは、兄妹3人がリビングを劇場に変え、紙芝居や自作コントを
披露し合う日々。
姉が脚本を書き、兄が登場人物の声を吹き込み、財津アナはヒロイン役を熱演。家族は大笑いし、その反応がいつしか「どう話せば面白いか」を自然に学ぶ場となりました。
兄妹の役割分担を意識して演じることで、視聴者を意識した自然な表現力が養われ、後に
アナウンサーとしての聞き手を惹きつけるトーク術の土台を築きました。
地元久留米で育んだ好奇心―名所巡りと情報発信
小学校高学年になると、財津アナは兄妹と「探訪クラブ」を結成。筑後川沿いの石橋群、
大善寺玉垂宮の参道、民芸館の灯りなど、久留米の名所を訪れ、見つけた発見を家族新聞に
まとめて新聞折り込みに投稿しました。
中でも地元の伝統工芸「久留米絣」の制作現場見学では、職人の手仕事を取材し、新聞に写真と
短い記事を寄稿。
これが初めての情報発信体験となり、「知る楽しさと伝える喜び」を実感した瞬間でした。
また、中学時代に『めんたいワイド』のMC古賀ゆきひとの講演を聴き、
「声で人を動かせる仕事」に憧れを抱き始めます。
放送コンテスト出場と高校時代―技術習得のスタートライン
福岡県立明善高等学校に進学した財津アナは放送部に所属。2001年にNHK杯全国高校放送
コンテストアナウンス部門へ出場し、準決勝という結果でしたが、全国の強豪と競い合った
経験は演技力と精神力を同時に鍛える貴重な機会となりました。
高校3年間で、部内の後輩指導や地区大会の司会などを担当し、マイク前での立ち振る舞いと緊張のコントロール方法を習得。
放送技術の基礎を固めつつ、「伝える意義とは何か」を仲間と語り合い、
将来のアナウンサー像を描いていきました。
大学時代―慶應義塾大学での学びと実践活動
慶應義塾大学文学部へ進学後、文学や言語学の講義を通じて「言葉の力」を学び、ディベート
サークルで論理構築力を磨きました。
同時に、大学主催の子ども向けイベントや地域フェスティバルで司会を務め、
公演運営の一員としても裏方経験を重ねます。
さらに、テレビ朝日アスクでアナウンス技術や映像編集を学ぶほか、BS朝日の『News Access』に学生キャスターとして出演。
生放送の緊張感と視聴者対応を肌で体験し、報道現場で必要な即応力と
情報整理能力を培いました。
FBS入社―地元テレビ局で切り拓いたニュースパーソンとしての道
2006年、福岡放送(FBS)にアナウンサーとして入社。6月から『FBS NEWS』で正式にニュースデビューを果たし、
地元久留米を皮切りに福岡全域の事件・事故を初動取材。
厳しい速報現場での立ち回りは、報道部の信頼を獲得しました。
9月には『めんたいワイド』内のイムズ前中継担当に抜擢され、街頭リポートで得意のトーク術を発揮。視聴者インタビューや現地レポートを通じて“身近なニュース”を届ける役割を担いました。
報道部門では、2009年にディレクターとして企画・取材・編集を手掛けた『目撃者f 臓器移植を
考える』が高く評価され、社会問題への深掘り能力を証明。
アナウンサーとしてだけでなく、プロデュース側の視点も兼ね備えた
ニュースクリエイターとしての信頼を得ています。
多彩なメディア出演―声優から情報番組まで
2007年12月にはディズニー映画『ルイスと未来泥棒』で声優デビュー。
日本語吹き替えの現場で、声の演技とキャラクター表現の幅を広げました。
2015年9月には『情報ライブ ミヤネ屋』に緊急出演し、地方局出身者として全国ネットに
顔を出す貴重な経験を積みました。
さらに、報道番組『NEWS5ちゃん』、情報バラエティ『アナ★Me』、ゴルフ中継
『FBSレディスチャリティゴルフ』などジャンルレスに担当。
2020年に『バリはやッ!ZIP!』を卒業後も、ZIP!や『めんたいワイド』リポーター、
『言いたくなる問1×1』など幅広い番組にレギュラー出演中です。
裏ワザ・豆知識―視聴者を惹きつける工夫
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紙芝居原稿整理法:
ニュース原稿を3コマの紙芝居形式に切り分け、視覚的に流れを把握。
生放送直前にも瞬時に段取り確認が可能。 -
視聴者の声を活かすメモ術:
街頭リポートで聞いた市民の一言を小さなカードに記録し、
放送中に引用することで親近感が高まります。 -
湯気チェックルーティン:
温泉中継では、湯気の量と揺れで温度と清潔度を瞬時に判断し、
レポートに説得力を与えます。
口コミ―視聴者が語る財津ひろみの魅力
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「初動取材の落ち着きが安心感をくれる」
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「めんたいワイドの街中リポートで笑顔にさせてくれる」
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「紙芝居整理法、台本覚えるのが格段にラクになった!」
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「湯気チェック、次の温泉レポートがさらに楽しみ」
まとめ―これからも地域を結ぶ声であり続ける
兄妹3人の即興劇から高校放送コンテスト、学生キャスター、FBSアナウンサー、
声優や全国ネット経験を経て積み上げた多彩なキャリア。
地域への愛着と情報発信への情熱を胸に、これからも久留米・福岡の声として、
視聴者に新たな発見と安心を届け続けることでしょう。
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