2025年6月17日、東京地方裁判所は有名プロデューサー中村喜伸氏が代表を務めていた
映像制作会社 株式会社アンビエントに対し、破産手続き開始決定を下しました。
2006年設立以来、テレビ番組やCM、DVD制作、イベント企画を手掛けてきた同社ですが、
近年の大型フェス中止による資金トラブルが破綻の要因となりました。
破産の背景と経緯
株式会社アンビエントは2006年10月、中村喜伸氏が自身の映像プロデュースチームを
法人化して設立。
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』など人気番組を手掛けた中村氏のネットワークを
活かし、映像制作事業とともに「インディーズアイドル応援プロジェクト」などイベント企画運営に注力してきました。
しかし2023年5月20日・21日に山梨県山中湖村で開催予定だった大型音楽フェスティバル
「AMSフェスティバル2023」は大雨の影響で直前に中止。
これに伴い多額の前売りチケット料金や出資金の返金が滞り、出資者やスポンサーへの債務が膨れ上がりました。
2024年には一部マスコミが返金未履行問題を報じ、貸金返還請求訴訟が提起される事態に発展。そして2025年5月、債権者により破産申し立てを受けて今回の裁判所決定に至りました。
破産手続きの今後
破産管財人には永沢総合法律事務所の前田修志弁護士が選任され、債権の届け出期間は
2025年7月22日まで。
現時点での負債総額は調査中ですが、映像制作事業やイベント部門での売掛金、
未払報酬など広範囲にわたると見られています。
中村喜伸氏のコメント
中村氏は公式サイト上で「AMSフェスティバル2023の中止は想定外の自然災害が原因であり、
関係者・ファンの皆様に多大なご迷惑とご心配をお掛けし深くお詫び申し上げます。
今後は法的手続きに誠実に対応し、一件一件の債権返済に努めてまいります」と
コメントしました。
豆知識
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破産手続き開始決定は債権者の申し立て後、裁判所が破産の見込みを判断して下すもの
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破産管財人は債権者への公平な配当作業を担う第三者管理者
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映像制作業者の主な債務には撮影費用や編集外注費が含まれる
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イベント中止時のチケット返金トラブルは申込者対応コストが債務化しやすい
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法的倒産と民事再生は手続きの目的や再建可否の観点が異なる
裏技
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イベント企画会社は天災リスクヘッジのために中止保険を活用すべし
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前売りチケットはECサイト経由で決済代行し、返金処理を簡略化
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出資契約には必ず返金条項と担保設定を盛り込む
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ファン対応はFAQページ設置で問い合わせ対応の工数削減
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プロデューサーは破産リスクに備え、複数事業で収益ポートフォリオを形成
口コミ
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中村氏のフェス復活を楽しみにしていたので残念です
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チケット返金の遅れでずっと待たされました
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映像制作の質は高かっただけに惜しい
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イベント保険の重要性を痛感しました
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法手続きの進捗を公式で随時知りたい
アンビエントの破産決定はクリエイティブ業界に大きな衝撃を与えました。
今後の債権処理や関係者の再出発に注目が集まります。
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