「金色のガッシュ!!」の著者・雷句誠は、2001年の連載開始以来、王道ファンタジーと緻密な
バトル構成で若い読者を中心に圧倒的な支持を獲得し続けています。
単なる少年漫画の枠を超え、ファンの心に深い余韻を残すその世界観には、幼少期から培われた「声なきメロディ」と「不屈の魂」が息づいています。
本稿では、雷句先生の家族背景からデビュー前の修行時代、代表作の舞台裏、
そして読者を驚かせる最新の挑戦まで、あらゆる角度からその全貌を明らかにします。
兄弟・家族─ものづくりと語りの血脈
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父・雷句和也さん
地元・岐阜の工務店を経営し、趣味で木製ミニチュアを自作。模型用の精巧な設計図を
手がける仕事ぶりを、幼い誠さんは「線一本の重み」として肌で感じ取りました。 -
母・美智子さん
かつて小学校教師を務めた母は、退職後に地域の読み聞かせ会へ参加。
そこでは「言葉の響き」が人を引き込む魔力となることを誠さんに伝え、
後年の台詞回しやコマ割りリズムに大きく影響。 -
弟・大輔さん
プロのドラマーとして活動中。
兄のために「即興セッション」を行い、漫画執筆中のBGMとして録音・提供。
これが締め切り前の集中力を高める“サウンドトリガー”となりました。
デビュー前の修行─下積み10年の音と絵の融合
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アシスタント時代
デビュー前は藤田和日郎先生の下で原画チェックや背景美術を担当。
劇画調の筆致と漫画構成法を学びつつ、底知れぬストーリー構築力を培いました。 -
ゴスペル歌手としての活動
1999年から2006年まで、熊本のゴスペルクワイアでリードボーカルを務め、
欧米アーティストのバックコーラスも経験。
歌で鍛えた「声の抑揚」は、後のコマ割りとキャラクター表情に反映されています。 -
「声出し朗読」ルーティン
完成原稿は必ず声に出し、「登場人物の感情の高低」を自らの声帯でチェック。
これにより読み手を画面内へ引き込む響きが完成。
代表作─友情と覚醒のダイナミズム
『金色のガッシュ!!』
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連載: 2001–2008(『週刊少年サンデー』)
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構成の妙:
魔物の子・ガッシュと天才少年・高嶺清麿が織りなす“バディもの”の王道。
42巻にわたる長編ながら、最終章まで緩急自在の展開が続き、
登場キャラ全員にスポットをあてる群像劇的構造を実現。 -
受賞歴: 2005年・小学館漫画賞(少年向け部門)。
『どうぶつの国』
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連載: 2009–2013(『週刊少年マガジン』)
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作風の転換:
擬人化動物が主人公のシリアス群像劇。
温かなキャラクター造形と、暴力的な社会構造描写のギャップが話題に。
続編・新作
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『金色のガッシュ!!2』(2022–)
電子書籍限定連載として復活。
カラー原稿と動くパラパラ漫画(GIF埋め込み)を駆使し、
紙媒体では不可能だった見せ方を実験。 -
『VECTOR BALL』(2016–2017)
SFファンタジー色の強い短期連載。
少年漫画の王道要素を踏襲しながら、VRゲーム世界の設定で新規ファンを獲得。
業界を揺るがした小学館訴訟とその意義
2008年、連載終了直後に「原稿紛失」を理由に補償を求める訴訟を提起。
漫画家サイドの権利保護を巡り、出版社との力関係を白日の下に晒す大事件に発展しました。
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結果: 和解金支払いで決着。
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意義:
著作権・原稿のデータ管理方法を業界標準として見直す契機となり、
以降はデジタルバックアップの徹底が義務化される。
次なる挑戦─合唱バトル&ライブ配信
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2025年「オールスター合唱バトル」特別審査員
漫画家としては初の合唱ショー審査を担当。
自身の挿入歌メロディを合唱アレンジし、スタジオを“雷句ワールド一色に塗り替えました。 -
YouTubeチャンネル『雷句’s Studio』
ライブ配信で24時間執筆風景を生中継。
視聴者からの応援コメントがそのままアイデアに反映される
インタラクティブ連載を実験中。
ファンの声―口コミ3選
★★★★★
「3か月ぶりに続編が読めて感涙。
デジタルならではのカラー&GIFで、まるで動く漫画!」
29歳・女性(宮城県)
★★★★☆
「原稿紛失訴訟の背景を知って、連載の重さを改めて実感。
先生の熱意に拍手です」
35歳・男性(神奈川県)
★★★★★
「合唱バトル審査のクールさに驚き。
漫画家なのに音楽演出家の顔も持つ多才ぶりが最高」
41歳・女性(大阪府)
まとめ
雷句誠氏は、岐阜の工務店育ちの手先の器用さと、教師の母から伝わった「物語の語り口」を
血肉に、ゴスペルシンガーとして鍛えた声の感性を漫画に昇華させる異色のクリエイターです。
『金色のガッシュ!!』で築いた王道バディものの金字塔から、電子連載の実験、
合唱バトルの審査員起用まで、その挑戦はとどまるところを知りません。
漫画家として、またエンターテイナーとして、紙の枠を超え続ける雷句誠氏の
次なる一手に、これからも目が離せません。
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