女優までの道のり―パリ留学と『藍色夏恋』で掴んだ一歩
1983年12月25日、台北生まれのグイ・ルンメイさん。淡江大学でフランス文学を専攻し、
在学中の2004年にはリヨン第3大学へ交換留学。
異国の文化と言葉に触れた経験が、彼女の繊細な演技スタイルに深みを与えました。
女優デビューは2002年、17歳で出演したド・ツーイェン監督作『藍色夏恋』。
高校生役を瑞々しく演じたことで台湾の映画界に新星として迎えられ、一躍注目を浴びました。
その後は大学生活と両立しながら、『遠い道のり』(2007年)やジェイ・チョウ監督作
『言えない秘密』(2007年)で存在感を示し、卒業後は中国・香港・台湾の大作に次々と出演。
2012年には『GF*BF』で金馬奨最優秀主演女優賞を受賞し、一流女優の仲間入り。
以降も『薄氷の殺人』(2014年)、『足を探して』(2020年)など多彩な役柄を
幅広く演じ分け、台湾映画界のトップ女優として揺るぎない地位を築きました。
兄弟―小鎂の愛称は妹との呼び名から
実はルンメイさんには年の近い妹さんが一人。小さい頃、姉妹二人でお芝居ごっこをしたことが
女優志望の原点だそうです。
妹さんを「小鎂(シャオ・メイ)」と呼んだことから、そのままニックネームに。舞台裏では
いつも冗談を言い合って笑いあい、辛い撮影も妹の応援メッセージで乗り越えたと語っています。
二人で録った映像を家族で鑑賞し合った思い出は「最高のリアクション練習の場」。
その経験が人間味あふれる演技力を磨く大きな原動力になったといいます。
裏ワザ・豆知識―ルンメイ流役作りメソッド
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フランス文学ノート法:
留学中に読んだフランス小説の名セリフや心理描写をノートに写し、自身の役柄の
心理分析に活用。翻訳せずに原文のニュアンスを大切に、台詞の抑揚に反映させる。 -
セルフ密告演出チェック:
カメラテスト段階で、自分の演技を撮影し、数日後にあえて見返さず台本通りに
セリフを再現。違和感を自己発見し、演技の“嘘”を排除する。 -
現地ロケ即興日記:
海外ロケ時には現地の言葉や風習を即興日記にまとめ、役柄のバックボーンに
組み込むことで、自然な仕草やリアクションを引き出す。
口コミ―共演者・監督も絶賛の力量
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「一瞬でキャラに染まるピュアな吸収力がすごい」
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「静かな笑顔の裏に激しい情熱を秘めている」
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「演出家の意図以上の間や沈黙を生む才能がある」
まとめ―妹の笑顔と深淵な役柄が織り成す二面性
妹とのお芝居ごっこで培った“リアルな反応と、フランス文学が育んだ“深い内面。
グイ・ルンメイさんは今もその二つの力を併せ持ち、スクリーンに立体的な
女性像を描き続けています。
これからも彼女ならではの“日常と異界のはざま”を体現し、
観客を引き込む演技を見せてくれることでしょう。
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